給水給湯設備工事は給水設備や給湯設備を設置する管工事のことです。給水システムにも給湯システムにもさまざまなタイプがあり、どれを選択するか決めるところから工事がスタートします。
給水設備の種類
給水設備は止水栓、給水管、水道メーター、蛇口などで構成されています。給水設備には主に次の3タイプがあります。
直結式給水
給水管につなげたパイプから直接給水します。平屋や2階建てならば、この方式で浄水場から送り出された水の圧力だけで給水可能です。
中高層直結式給水
中高層のマンションなどで、増圧ポンプで水圧を高めて給水します。
受水槽式給水
給水管から受水タンクを通過して、屋上などに設置した受水槽に水を貯めてから給水します。
給湯設備の種類
給湯設備は大きく分けて貯湯式と瞬間式があります。
貯湯式
ガス代や電気代が安くなる早朝や深夜にまとめてお湯を沸かしておいて、給湯設備の貯湯タンクに蓄えておく方式です。光熱費の節約になりますが、貯湯タンク内のお湯を使い切ってしまうと、新しいお湯が沸くまで時間がかかります。
瞬間式
お湯を使う瞬間に、ガスや電気でお湯を沸かす方式です。ここ数年、瞬間式が主流になりつつあります。
給水管・給湯管の種類
給水給湯設備工事の中でもメインとなるのが、給水管・給湯管の設置です。素材ごとに給水向け、給湯向けのものがあるので注意が必要です。
給水用
水道用耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管、水道用硬質塩ビライニング鋼管、水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管など。
給湯用
水道用耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管、水道用耐熱性硬質塩ビライニング鋼管など。
給水・給湯兼用
水道用銅管、架橋ポリエチレン管、ポリブデン管など。
給水設備工事のポイント
給水設備は洗面・浴用・飲用などに使用できる安全な水を供給しなくてはいけません。止水管、給水管、水道メーター、蛇口、給水管、給水タンク、給水ポンプなどを正しく取り付けるように注意が必要です。給水設備の各パーツが適切に配置されているからこそ、地中の配水管を高圧で流れる水を欲しい量だけ引き込めるようになっているのです。
給湯設備工事のポイント
水を加熱して適切な水温にして、飲用や洗浄用として供給する際、ガスや電気などの何らかの熱源を使用します。したがって、複合的なシステムを構築するための知識や技術が必要です。省エネ、コストパフォーマンス、耐久性なども考慮し、効率の良い給湯設備を構築する技量が問われます。
給水給湯設備工事に関連する資格
給水給湯工事に関連する資格には給水装置工事主任技術者があります。給水装置工事主任技術者は給水装置を管理・維持・運用するための国家資格です。水道法に基づいた次のような作業は給水装置工事主任技術者の資格がなければできません。
- 給水設備工事に関する技術管理
- 給水設備工事に従事する人の技術指導と監督
- 給水設備の構造や材質が水道法の基準を満たしているかどうかの確認
以上のように給水装置工事主任技術者は、給水給湯設備工事の根幹にかかわる部分を担うといっても過言ではありません。資格取得にあたっては、給水設備工事に関して3年以上の実務経験があり、メーター交換・取り付け・取り外しなどの経験が必要になります。