増築工事とは建物の床面積を増やす建築工事のことです。建て替えなどより費用を節約できることが特徴ですが、増築の内容によってコストは大きく異なります。増築工事の費用の目安や注意点などを解説しましょう。
増築工事の費用
増築工事にかかる費用は木造住宅よりも鉄骨住宅、1階部分よりも2階部分の方が高くなります。これは、2階部分を増築する際には1階部分の補強工事も必要となるためです。また、増築する面積が大きいほどコストも高くなります。
増築費用が高くなるケース
次のような増築工事の場合は、単位面積あたりの目安以上に費用が高くなりがちです。
- 増築部分が2階
- 水回りの工事が発生する
- 住宅設備の購入が必要
- 補強工事を伴う
- 内装や外装を行う
増築費用が安くなるケース
逆に次のような増築工事ならば、費用は比較的安くすむことが少なくありません。
- 増築部分が1階
- 木造住宅の増築
- ベランダやバルコニーを設置するだけの増築
- 庭が広くて増築しやすい
増築工事の具体例
増築工事にはさまざまなタイプがあります。よくある増築工事の具体例と平均的な費用、注意点などは次の通りです。
ベランダやバルコニー
現状の窓の形状を変えることなくベランダやバルコニーを取り付ける場合、30~50万円で増築することができます。ただし、窓によってはベランダの脚を設置するスペースがないこともありますし、スペースはあるものの構造的に耐えられないケースも考えられます。このような場合は補強工事などが必要となり、さらに金額がかさむので注意しましょう。
トイレ
トイレに必要なスペースは1坪弱ですが、水回りということもあり、コストは120万円前後と安くはありません。住宅の間取り、配管工事の手間、新たに設置する便器のグレードなどによっても多少異なります。
寝室
現在の寝室を3畳ほど広げたいとなった場合、ただ広くするだけではなく、既存の床・壁・天井などと同じ作りにする必要があります。内装部分をすべて変えるケースもあるでしょう。内装部分にどこまでこだわるかによっても多少違いますが、平均して190万円ほどかかります。
和室
和室は洋室と比較すると畳を敷くなど内装にかかわる費用が必要になります。しかし、水回りの配管工事などはないので、8畳ほどを増築したとしても250万円程度と、トイレなどと比較すると単位面積あたりに必要な費用は安くなる計算です。
増築工事のメリット・デメリット
床面積を増やすならば建て替えという選択もあります。それでも増築工事を選択する人がいるのは、それなりのメリットがあるからです。一方、デメリットもあるので注意しましょう。
増築工事の特徴 | |
---|---|
メリット | ・建て替えよりもコストがかからない。 ・現在の家に暮らしながら工事ができるので、引っ越しなどの必要がない。 ・床面積10㎡以内の増築ならば確認申請不要。 ・住環境の問題をピンポイントで解決できる。 |
デメリット | ・コストをかけないと増築部分と既存部分に違和感が出てしまう。 ・建物の状態によっては、できない増築工事もある。 ・場合によっては補強工事などの追加工事が必要。 ・床面積10㎡以上の増改築には建設確認申請が必要。 |